新潟県新潟市・下越地域にある【浄土真宗本願寺派 太子山 明誓寺】です。
当ブログ『仏事のイロハ』では、葬儀や法事、ご供養に関することや法話などを発信し、仏事に関する基礎知識やよくあるご質問にお答えしながら、現代の暮らしに合った供養のかたちをご紹介してまいります。
「お葬式や法事、何から始めればいいのか迷っている…」「お墓のこと、将来どうしよう…」そんな疑問や不安をお持ちの方にとって、少しでも参考になる情報をお届けできれば幸いです。
夏野菜を見てふと・・

七月に入り、いよいよ夏の陽射しが本格的になってきました。
梅雨明けを前にしても、日中は蒸し暑く、朝夕の涼しさがありがたく感じられる今日このごろです。
ご門徒の皆さまにおかれましては、お念仏相続の毎日をお過ごしのことと、心よりお慶び申し上げます。
先月、遅ればせながら、うちの中庭の片隅にある小さな家庭菜園に夏野菜を植えました。
種類は、ナス、トマト、きゅうり、しそ、これらがぐんぐんと今まさに、育ち始めております。
葉を大きく広げて陽を浴びている姿は、まるで手を広げて空に向かっているようにも見えます。
特にトマトは、小さな実をつけ始め、長男が毎朝の見回りを楽しみにしているようです。
けれども、夏野菜は案外気難しく、暑すぎたり、水が足りなかったりすると、すぐに元気をなくしてしまいます。
葉がしおれていたり、実が思うように育っていなかったりすると、「ああ、昨日は水が少なかったかな」「風が強すぎたかな」と反省したり、逆に「あ、今日は元気だな」とほっとしたり――そんな毎日の繰り返しです。
ふと、これって人間と似ているなあと感じます。
気候や環境に左右されながらも、毎日少しずつ成長し、見えないところで力を蓄えている。
何もしていないように見えても、土の中では根がしっかりと広がっている。
そんな野菜たちの姿に、どこか自分の姿を重ねてしまいます。
仏教では、「縁起(えんぎ)」という教えがあります。
それは、すべてのものごとは互いにつながり、関わり合いながら成り立っているという教えです。
ナスが実るのも、トマトが赤くなるのも、土や水や太陽だけでなく、私たちが手をかけるその心も含めて、すべての“ご縁”が重なっているからこそなのです。
私たちの人生もまた、ひとりで成り立っているものではありません。
家族や友人、地域の方々、そして仏様やご先祖さま――さまざまな“ご縁”に支えられながら、日々を重ねているのです。
実がなるのは、すぐには見えません。
でも、日々の積み重ねがやがて実を結ぶように、私たちの暮らしの中にも、きっと見えない実りが育っているのだと思います。
どうぞ皆さま、この夏もお身体を大切に、心静かに、お念仏とともに歩んでまいりましょう。
小さな実りを見守るようなやさしさで、自分や周りを見つめていただけたらと思います。
そして、ふとした時に、周りのご縁に目を向けられる心の余裕を持っていたいものですね。
来月には、お盆がやってまいります。改めて、ご先祖の有り難さ気づかせて頂きましょう。
