新潟県新潟市・下越地域にある【浄土真宗本願寺派 太子山 明誓寺】です。
当ブログ『仏事のイロハ』では、葬儀や法事、ご供養に関することや法話などを発信し、仏事に関する基礎知識やよくあるご質問にお答えしながら、現代の暮らしに合った供養のかたちをご紹介してまいります。
「お葬式や法事、何から始めればいいのか迷っている…」「お墓のこと、将来どうしよう…」そんな疑問や不安をお持ちの方にとって、少しでも参考になる情報をお届けできれば幸いです。
鬼は・・どこ??
季節は三月になり、冬の気配も少しずつ和らいできた今日この頃、ご門徒の皆様におかれましては、お念仏相続の事とお慶び申し上げます。
新しい年が明け早数か月、まだまだ寒さの厳しい日々が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
年月の進みは早いもので、つい先日お正月だったと思ったのが、いつの間にか春の言葉が近い季節になってまいりました。
二月は急な積雪もあり、雪掻きにご尽力されたご門徒さんも多かったのではないでしょうか?
二月といえば年間行事で、『節分』がありました。うちの保育園でも、赤鬼と青鬼が毎年やってきて、子供たちを驚かせています。
子供たちの中では、赤鬼と青鬼の正体は?という話しも出ますが、それは・・誰にも分かりませんね。

では、この「鬼」とは、いったいどのような存在なのでしょうか?
私たちは鬼というと、外から襲ってくる怖いものを想像しますが、実は心の中にも鬼がいるのではないでしょうか。
たとえば、こんな気持ちになったことはありませんか?
「もっともっと欲しい」
(物やお金だけでなく、人からの評価なども)
「あの人が気に入らない!」
(怒りやイライラ)
「自分のことばかり考えてしまう」
(周りが見えなくなる)
これらは、仏教では「欲(よく)・怒り(いかり)・迷い(まよい)」と呼ばれ、人間なら誰もが持っている心のクセのようなものです。
こうした心の鬼は、外からやってくるのではなく、自分の中から生まれるものです。
そして、自分ではなかなか気づかないうちに、周りの人との関係を悪くしたり、苦しみの原因になったりします。「鬼は外、福は内」と豆をまくとき、ただ「悪いものを追い払う」というだけでなく、自分の中にいる鬼を見つめることができたら、り意味のある節分になるかもしれません。
では、こうした心の鬼をなくせばいいのか?といえば、そう簡単にはいきません。
誰もが、欲や怒りや迷いを抱えて生きています。
でも、だからこそ阿弥陀様(仏様)は、「そのままのあなたを受け止めて、いつも支えていますよ」と、どんなときも変わらずに寄り添ってくださるのです。
私たちは完璧にはなれませんし、心の鬼がいなくなることもありません。
でも、「ああ、また自分の中の鬼が顔を出しているな」と気づくだけでも、少しずつ変わっていくことができます。
是非、来年の節分を迎える機会には、改めて「自分の中の鬼」と向き合い、阿弥陀様(仏様)の温かいお心に包まれながら、過ごしていければと思います。
